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評判の中国株投信「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」の評価と今後の見通しは?基準価額推移などを詳しく解説!

資産運用を考えている人の中には「中国」への投資を検討している人が多いのではないでしょうか。

また、中国への投資を考えるのであれば、会社員の方であればまず投資信託を検討すると思います。

 

中国株全体については以下の記事で論じています。

 

その中でも投資信託を購入する場合、つまり企業の運用のプロに任せる場合は、

どのくらいのリターンが実際に見込まれるのでしょうか?

 

今回は中国株投信で評判の商品「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」

の運用状況と、今後の見通しを解説していきたいと思います。

 

その他の中国投資信託については以下で分析をしているので参考にしてみてくださいね。

 

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド- 概要と運用方針 –

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドはいわゆる「ファミリーファンド」です。

三井住友ニューチャイナファンドの運用スキーム

参照:交付目論見書

 

まず投資者は三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドに投資します。

そして三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドがニュー・チャイナ・マザーファンドに投資します。

最終的にニュー・チャイナ・マザーファンドが中国国内で事業展開する企業の株式に投資・運用します。

 

ファミリーファンドと言えば、以前に紹介した「HSBCチャイナオープン」や「チャイナ・ロード」と同様の形態ですね。

 

投資方針は以下のように開示されています。

① エクセレント・カンパニーに厳選して投資します。

中国国内で事業展開している企業の中から、中長期的な運用視点に基づき、 各業種毎に競争力の強いエクセレント・カンパニーに厳選して投資します。

② 新規公開企業にも選別投資します。

中国を代表する企業の新規公開にも着目し、 選別投資することにより、より高い収益確保を狙います。

③ 外貨建資産については、原則として対円での為替ヘッジを行いません。

④ 実質的な運用はスミトモ ミツイ DS アセットマネジメント(ホンコン)リミテッドが行います。

引用:交付目論見書

 

運用プロセスも細かく開示されています。

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの運用プロセス

 

5000銘柄から500-550銘柄まで絞り込み、各拠点アナリストやファンドマネジャーが企業訪問を行い調査、分析を実施します。

その後アナリスト会議を経て香港、東京、上海支店で投資方針を決定したあとに、ファンドマネジャーが銘柄を選定しています。

最終的に約40-70銘柄に投資することとなります。

 

組入上位銘柄は以下の通りです。

順位 銘柄名 市場 セクター 比率(%)
1 テンセント 香港 メディア・娯楽 7.0
2 美団(メイトゥアン) 香港 小売 6.6
3 貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ) 上海A株 食品・飲料・タバコ 6.3
4 JDドットコム 香港 小売 3.6
5 BOCアビエーション レッドチップ 資本財
6 招商銀⾏ H株 銀行
7 上海国際空港 上海A株 運輸
8 チャイナ・リソーシズ・ランド レッドチップ 不動産
9 トライポッド・テクノロジー その他 テクノロジー・ハードウェア・機器
10 美的集団(ミデア・グループ) 深センA株 耐久消費財・アパレル

参照:マンスリーレポート

 

多くの他中国株投信同様テンセントが上位に君臨しています。

美団や貴州茅台酒、JDドットコムも定番銘柄ですね。

 

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドは中国経済の今後の成長を見越して株式投資を実行し、
運用益を上げていく方針ですが、どのくらいのパフォーマンスを実際に出しているのでしょう。

 

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの運用成績・パフォーマンス

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドはベンチマークを設けていないので、基準価額とトータルリターンを見ていきましょう。

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの基準価額推移

参照:マンスリーレポート

 

基準価額は参考指数であるMSCIチャイナを上回っています。

詳しく数字を見ていきましょう。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン -22.24% 7.20% 5.71% 9.51%
カテゴリー -15.09% 7.05% 6.96% 10.01%
標準偏差 13.64 19.49 18.58 20.26
カテゴリー 15.84 20.61 19.39 21.78
シャープレシオ -1.63 0.37 0.31 0.47
カテゴリー -0.97 0.34 0.36 0.46
ファンド数 50本 42本 34本 33本

 

トータルリターンは年率でそれぞれ1年で-22.24%、3年で7.20%、5年で5.71%、10年で9,51%となっています。

長期で見ても10%を割ってしまっており、決して良い成績とは言えません。

しかし、これだけでは三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの真の実力は測れませんので、他の中国株式投信と比較してみましょう。

 

他の中国株投資信託との比較

今回は以下3つの投資信託と比較してみました。

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • HSBCチャイナオープン
  • UBS中国株式ファンド

 

基準価額、純資産は 2021年08月13日 現在
トータルリターン等評価情報は 2021年07月31日 現在

ファンド名 三井住友・
ニュー・
チャイナ・ファンド
三菱UFJ
チャイナ
オープン
HSBC
チャイナ
オープン
UBS
中国株式
ファンド
販売手数料 3.3% 3.3% 3.3% 3.3%
信託報酬等(税込) 1.98% 1.67% 1.98% 1.97%
トータルリターン1年 -22.24% -24.13% -20.30% -21.38%
トータルリターン3年(年率) 7.20% 2.80% 3.15% 4.13%
トータルリターン5年(年率) 5.71% 5.44% 4.94% 10.88%
トータルリターン10年(年率) 9.51% 9.84% 9.33% 14.20%
シャープレシオ1年 -1.63 -1.46 -1.41 -1.61
シャープレシオ3年 0.37 0.13 0.15 0.24
シャープレシオ5年 0.31 0.27 0.25 0.60
シャープレシオ10年 0.47 0.48 0.42 0.70
標準偏差1年 13.64 16.59 14.41 13.29
標準偏差3年 19.49 21.77 21.27 17.53
標準偏差5年 18.58 20.01 19.90 18.28
標準偏差10年 20.26 20.66 22.39 20.21

 

長期ではUBS中国株式ファンドが良い成績で、短期ではどの投信も似たり寄ったりです。

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドは中国株投信の中でも特に優れた成績というわけではなさそうです。

 

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの高い手数料

最後に手数料を確認しておきましょう。

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドの購入手数料は3.3%(税込)ですね。

 

中国株式で運用する投資信託と購入手数料の相場は変わりません。

一般的な投資信託のアクティブ型とも手数料は同水準です。

一方で信託報酬は年率で1.98%(税込)となり、大変高い水準にあります。

 

これは上記で述べたように、マザーファンドを通してボトムアップ型の入念なリサーチによる調査を実施したり、企業訪問などを実施していることで費用がかかるためです。

参考までに、以下は金融庁が発表している日本の投資信託のアクティブ型の手数料平均です。

金融庁投信の信託報酬とリターン

参照:金融庁

 

やはり海外投資ですのでコストは高くなってしまいますね。

 

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドのまとめ

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドは株価上昇が期待される中国株を厳選して投資運用を実施しています。

安定したリターンを挙げているものの、新興国投資の妙味である高いリターンを挙げるにはやや物足りない水準となっています。

その割には手数料もやや高いのであまり魅力的な投資先とは言えません。

 

もし魅力的な投資先を探しているのであれば、私が独自で作成しているランキング記事などでおすすめ投資先を紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

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