中国投資信託・ETF

【愛称:シャングリラ】評判の中国投資信託「新成長中国株式ファンド」を徹底評価!高いリターンを出すもリスクが懸念点。

2021年現在GDP世界2位で1位のアメリカに迫る勢いで経済成長を続ける「中国」の勢いはコロナ禍でもとどまるところを知りません。

さらに1人あたりGDPはようやく1980年代の日本と同様の水準になったばかりとまだまだ成長中なのです。

 

中国株式市場について詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

 

 

そんな「中国」は経済成長に伴って株式市場もこれから伸びることが期待されるため投資を検討している方も多いのではないでしょうか?

とはいえ個別株に投資しようと思うとそれぞれの企業を詳しく知らなければならないためハードルが高いのも事実。

そう思った初心者のあなたはまず投資信託を検討していませんか?

 

 

今回はその投資信託の中でも評判の「新成長中国株式ファンド(愛称:シャングリラ)」について、運用状況と今後の見通しを解説していきます。

他の中国投資信託は以下でも分析していますので参考にしてみてくださいね。

 

 

新成長中国株式ファンド- 概要と運用方針 –

新成長中国株式ファンドはその名の通り中国企業の株式を主要投資対象としています。

そして中国株式の中でも中国経済の中長期的な成長の恩恵を受けると判断される銘柄を中心に投資を行う投資信託です。

 

ファンド・オブ・ファンズ形式で運用

運用スキームはHSBCチャイナオープンと同様ファミリーファンド方式ですね。

 

新成長中国株式ファンドの詳しい運用の仕組みは以下の通りです。

新成長中国株式ファンドの投資スキーム

参照:交付目論見書

 

個人投資家の方はベビーファンドである新成長中国株式ファンドに出資します。

新成長中国株式ファンドは中国株式マザーファンドもしくは中国本土株式マザーファンド第2号に出資します。

そのマザーファンドが中国企業の上場株式や中国A株などに出資するスキームです。

 

つまりマザーファンドである2つのファンドが実際に投資運用をする形となるんですね。

 

コラム:中国A株とは?

先ほどの図で中国本土株式マザーファンドは中国A株に投資をしていると記載があります。

ここで言う中国A株とはどのような株式なのでしょうか?

 

中国の証券取引所としては、香港に香港証券取引所(香港交易所、Hong Kong Exchanges and Clearing Limitedとも呼ぶ)と
中国本土に上海証券取引所(上海證券交易所、Shanghai Stock Exchange)と深セン証券取引所(深セン証券交易所、Shenzhen Stock Exchange)がありますが、
取引されている株式の種類は取引所によって異なります。

中国A株とはQFII(適格国外機関投資家制度)で認可された国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式のことで、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場しています。

(引用:投信資料館

 

つまり、日本の一般投資家は普通は中国人しか投資ができない人民元建ての株式を新成長中国株式ファンドを通すことで購入できるということですね。

 

銘柄選定は3つのポイントで行なっている

銘柄の選定は以下のポイントに注目してボトムアップ・リサーチを主体とする分析で実行されています。

 

ポイントとしているのは以下3つのポイントです。

✔︎ 都市部と農村部の格差解消
→ 農村部や内陸部の発展により恩恵を受ける企業など

✔︎ 産業構造の転換
→新たなサービスを提供する企業、省エネルギー、環境保全に注力またはそれらに役立つ製品、サービスを供給する企業など

✔︎ 近隣諸国との交易・交流の拡大
近隣諸国とのビジネスや人的交流の拡大で恩恵を受ける企業など

 

参照:交付目論見書

 

中国の今後の成長に大きな影響を及ぼすであろう点をよくとらえたリサーチがなされていますね。

 

中国株式マザーファンドの上位保有銘柄はハイテク銘柄を中心にしている

組入銘柄はどうでしょうか。

2022年2月末時点では、以下の通り中国本土株式マザーファンド第2号と中国株式マザーファンドがほとんどを占めています。

順位 銘柄名 比率(%)
1 中国本土株式マザーファンド第2号 52.8
2 中国株式マザーファンド 45.2

参照:月報

 

組入上位10銘柄は以下の通りです。

順位 銘柄名 業種 比率(%)
1 TENCENT HOLDINGS LTD メディア・娯楽 4.2
2 AIA GROUP LTD 保険 3.4
3 ALIBABA GROUP HOLDING LTD 小売 3.3
4 KWEICHOU MOUTAI CO LTD 食品・飲料・タバコ 2.9
5 CHINA MERCHANTS BANK CO LTD 銀行 2.8
6 JD.COM 小売種消費者サービス 2.2
7 HONG KONG EXCHANGES & CLEAR 各種金融 2.1
8 INDUSTRIAL BANK CO LTD 銀行 1.8
9 LUXSHARE PRECISION INDUSTRY CO LTD テクノロジー・ハードウェアおよび機器 1.7
10 CHINA CONSTRUCTION BANK 銀行 1.7

参照:月報

 

やはり世界的企業アリババ、テンセントの比率が高くなっています。

消費財・IT・金融セクターが中心ですね。

 

バランス良く各業種が組み入れられているのは、リスクヘッジの観点からはポジティブな印象です。

それでは具体的にパフォーマンスはどうなっているのかを見ていきましょう。

 

新成長中国株式ファンドの運用実績・パフォーマンス

新成長中国株式ファンドはベンチマークを設定していません

そのため、基準価額とトータルリターンの推移を見ていきます。

基準価額とトータルリターンの見方については以下の記事を参考にしてみてくださいね。

 

新成長中国株式ファンドの基準価額推移

参照:マンスリーレポート

基準価額は2015年6月と2018年6月に大きく下げています。

また、2021年末も多少の調整がありました。

 

2015年はチャイナショック、2018年は米中貿易摩擦の影響で株式市場全体が下落した影響です。

2021年末はやや割高傾向であったことが原因です。

それ以外の期間は全体的に緩やかに上昇しています。

新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年3月の下落が限定的で、すぐに持ち直したのはポジティブではないでしょうか。

 

では、トータルリターンはどうなっているのでしょうか。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン -18.75% 10.06% 9.78% 11.59%
カテゴリー -17.57% 8.17% 7.66% 9.63%
標準偏差 13.86 19.03 18.82 21.62
カテゴリー 15.80 20.50 19.34 21.84
シャープレシオ -1.35 0.53 0.52 0.54
カテゴリー -1.12 0.39 0.39 0.44
ファンド数 47本 42本 34本 33本

 

直近1年は市場調整の影響を受けてトータルリターン(年率)-18.75%となっています。

中長期で見ても、3年で10.06%、5年で9.78%、10年で11.59%となっており安定しているものの、やや物足りません。

投資におけるリスクである標準偏差を用いて、過去10年のリターンとリスクから想定される今後1年間のリターンは以下の通りとなります。

 

【68.2%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲10.03%(11.59% - 21.62%) 〜 32.21%(11.59% + 21.62%)

【95%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲31.65%(11.59% - 21.62%×2) 〜 54.83%(11.59% + 21.62%×2)

【99.7%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲53.27%(11.59% - 21.62%×3) 〜 76.45%(11.59% + 21.62%×3)

 

60%近い下落を被ることも十分頭にいれておく必要があります。

 

 

新成長中国株式ファンドとMSCI中国との比較

シャングリラはアクティブ型の投資信託なので、インデックスである中国の指数に勝つことが重要となります。

ベンチマークとして設定されていなかったとしても、やはり意識すべきは中国株指数ですね。

 

今回は海外からの投資家が中国株式投資を検討する際に参照する株価指数としてよく使用されるMSCI中国と比較していきます。

MSCI中国は採用されている企業が本土上場株、香港上場株の他、米国上場株も含まれており、『中国の株式市場』全体をよく表す指数とみなされています。

以下が直近3年のシャングリラとMSCI中国の比較です。

新成長中国株式ファンドとMSCI中国の比較

参照:MORNINGSTAR

 

概ね指数を上回るリターンを挙げられています。

アクティブ型投資信託としてはまずまずの結果と言えるでしょう。

 

では他の中国株投資信託と比べるとどうでしょうか。

 

新成長中国株式ファンドと他中国株投資信託との比較

今回はシャングリラと同じく人気である以下4つの中国株投信と比較していきます。

  • UBS中国株式ファンド
  • 三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド
  • HSBCチャイナオープン
  • 中華圏株式ファンド(毎月分配型)

 

基準価額、純資産は 2021年02月28日 現在
トータルリターン等評価情報は 2021年03月27日 現在

ファンド名 新成長
中国株式
ファンド
三井住友・
ニュー・チャイナ・
ファンド
HSBC
チャイナオープン
中華圏株式ファンド
(毎月分配型)
UBS中国新時代
株式ファンド
(年1回決算型)
販売手数料 3.3% 3.3% 3.3% 3.85% 3.3%
信託報酬等(税込) 1.76% 1.98% 1.98% 1.76% 2.08%
トータルリターン1年 -18.75% -23.54% -24.24% -13.94% -29.57%
トータルリターン3年(年率) 10.06% 9.02% 3.19% 8.48% 3.81%
トータルリターン5年(年率) 9.78% 7.36% 5.48% 7.64% --
トータルリターン10年(年率) 11.59% 9.43% 8.74% 8.38% --
シャープレシオ1年 -1.35 -1.68 -1.62 -1.37 -2.02
シャープレシオ3年 0.53 0.47 0.15 0.45 0.21
シャープレシオ5年 0.52 0.40 0.28 0.40 --
シャープレシオ10年 0.54 0.47 0.39 0.40 --
標準偏差1年 13.86 14.04 14.93 10.15 14.61
標準偏差3年 19.03 19.25 21.27 18.90 18.01
標準偏差5年 18.82 18.47 19.90 18.96 --
標準偏差10年 21.62 20.28 22.49 20.79 --

 

他中国株投資信託と比較するとトータルリターンは高い水準にありますね。

しかし、新興国投資信託で10%のリターンは少し物足りません。

 

またこのリターンはあくまで過去の数字ですので今後の推移は不透明です。

加えて、他中国株投資信託と同様に手数料が高額なのがネックです。

次章で詳しく見ていきましょう。

 

 

新成長中国株式ファンドの高い手数料

新成長中国株式ファンドの販売手数料は3.3%(税込)となります。

中国株投資信託では、中華圏株式ファンドが3.85%(税込)と高い水準にある以外ほとんどのファンドが同水準です。

例えば、先ほどチャートを比較した

  • UBS中国株式ファンド
  • 三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド
  • HSBCチャイナオープン

も同じく購入手数料3.3%(税込)となっています。

 

また信託報酬は1.76%(税込)です。

他中国株投資信託と比べるとやや低いですが、一般的な投資信託と比べるととても高い水準にあります。

 

 

新成長中国株式ファンドのまとめ

新成長中国株式ファンドは中国経済の中長期的な成長の恩恵を受けると判断される銘柄をプロが厳選して投資運用する投資信託です。

これまで見てきた通り指数や他の銘柄と比べると比較的高いリターンを出しています。

しかし、直近の値動きが悪いことはネガティブな材料ですね。

 

ただ、中国という国自体はこれからさらに成長することが見込まれているため、投資対象国としてはおすすめできます。

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