ベトナム投資信託・ETF

評判の「ベトナム・ASEAN・バランスファンド(愛称:V-Plus)」の運用成績・見通しを評価。

資産運用を考える貯金額になった時、どこに投資しようかなと考えますよね。

やはり大きく資産を増やすなら今後の経済成長が見込まれる新興国です。

その中でも「ベトナム」は今まさに経済成長中で気になるのではないかと思います。

 

ベトナムなど新興国への投資を考えるのであれば、少額からお手軽に投資が開始できる「投資信託」が思い浮かびますよね。

今回はベトナム投資信託の中でも、「ベトナム・ASEAN・バランスファンド」の運用状況と、今後の見通しを解説していきたいと思います。

 

ベトナムの株式市場全体については以下の記事で論じています。

 

また代表的なベトナム投資信託やベトナムの市場平均への連動を目的としたETFの問題点については以下をご覧ください。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンド~概要と運用方針~

それでは概要と運用方針ついて見ていきたいと思います。

 

ベトナム株式とASEAN地域の債券を組み合わせたバランス型のアクティブ投信

ベトナム・ASEAN・バランスファンドは海外アジアエマージングの株式を運用する「ファミリーファンド」です。

ベトナム・ASEAN・バランスファンドの運用方針は交付目論見書より引用します。

 

1.地政学的・人口構造などの優位性を活かし、経済成長を続けているベトナムの株式および経済規模が拡大しているASEAN地域の債券を主要投資対象とします。

2.株式と債券の組入比率は、市場環境、資金動向に応じて機動的に変更します。

3.マザーファンドの運用の指図に関する権限の一部を日興アセットマネジメント・アジア・リミテッドに委託します。

4.組入外貨建資産については原則として為替ヘッジは行いませんので為替変動の影響を受けます。

(引用:交付目論見書

 

「ベトナム」という名前が全面に出ていますが、カンボジア、ラオス、ミャンマーの株式に投資を行う可能性があるとしています。

 

東南アジアの後発新興国であるCLMV諸国でポートフォリオを組む方針となっています。

ファンドでは、

  • ベトナム
  • カンボジア
  • ラオス
  • ミャンマー

 

を総してインドシナ地域としています。

V-Plusの投資対象地域

参照:交付目論見書

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドは「ファミリーファンド」とされています。

具体的なファンドの仕組みは以下のようになっています。

V-Plusの運用スキーム

参照:交付目論見書

 

シンプルに投資家は販売会社を通してベトナム・ASEAN・バランスファンドを購入し、

その先のマザーファンドがベトナム等の株式やASEAN地域の債券で運用をするということですね。

 

資産配分比率は以下の通りインドシナ地域株式が60%、ASEAN地域債券マザーファンド40%です。

株式と債券をバランスよく組み入れているのが特徴的と言えるでしょう。

V-Plusの資産配分比率イメージ

参照:交付目論見書

 

株式と債券のポートフォリオ構成上位銘柄を紐解く

 

具体的な資産状況・保有銘柄を見ていきましょう。

 

【株式の組入上位銘柄】

まず国別ではベトナムの組入比率が85.0%とほとんどを占めます。

以下は株式Portion部分での組み入れ上位銘柄となっています。

 

順位 銘柄名 業種 比率(%)
1 FPTコーポレーション テクノロジー・ハードウェアおよび機器 8.8
2 モバイル・ワールド・インベストメント 小売 8.7
3 ビンホアン 食品・飲料・タバコ 5.4
4 ベトナム外商銀行 銀行 4.7
5 ナムロン・インベストメント 不動産 4.7
6 フーニュアン・ジュエリー 耐久消費財・アパレル 4.6
7 デジワールド  テクノロジー・ハードウェアおよび機器 4.5
8 第1パワー・コンストラクション 資本財 4.3
9 カンディエン不動産 不動産 4.2
10 ビンコムリテール 不動産 3.9

参照:マンスリーレポート

 

不動産銘柄の多さが特徴と言えるでしょう。

その他アパレルや食品銘柄もあり、まさに経済成長に伴って衣食住の需要が増えていることが伺えます。

 

次に債券をみていきましょう。

 

【債券の組入上位銘柄】

債券は株式と対照的に東南アジアの国に分散的に投資をしており、ベトナムは殆ど組み入れられていません。

順位 銘柄名 比率(%)
1 マレーシア 29.3
2 インドネシア 23.2
3 シンガポール 15.5
4 フィリピン 12.8
5 タイ 12.5

 

当然現地通貨建なので為替の動向は重要になってきます。

全ての国の為替見通しを以下の記事でまとめていますので参考にしてみてください!

 

では、ベトナム・ASEAN・バランスファンドの実際の運用状況はどうなっているのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドの運用成績・パフォーマンス

ベトナム・ASEAN・バランスファンドにはベンチマークはありませんので、基準価額とトータルリターンから運用成績を見ていきましょう。

 

まずは基準価額ですが、基準価額とはどのようなものか正確に思い出せない人は以下の解説記事を参考にしてみてくださいね。

 

以下はベトナム・ASEAN・バランスファンドの基準価額の過去推移です。

V-Plusの基準価額推移

参照:月報

 

 

2007年8月28日の設定来、10,000円で開始した基準価額は、

2021年8月末時点で16,455円となっています。

配当金再投資後ですと約20,000円です。

思ったよりも大きく成長していないですね。

 

より詳細にデータを見ていきましょう。

以下はベトナム・ASEAN・バランスファンドのトータルリターンです。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン 30.92% 15.36% 11.61% 12.65%
カテゴリー 2.80% 6.84% 5.70% 8.37%
標準偏差 10.70 15.51 14.00 13.97
カテゴリー 9.32 11.31 10.26 10.30
シャープレシオ 2.89 0.99 0.83 0.90
カテゴリー 0.27 0.61 0.56 0.82
ファンド数 278本 246本 198本 114本

 

直近1年はコロナ影響からの回復相場の恩恵を受けています。

3年で年率平均15.36%、5年で11.61%と中長期ではまずまずなリターンですが、

成長力の高いASEAN地域に投資していることを加味すると今一つですね。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドの指標だけをみても正確にファンドの評価ができません。

他ベトナム株投資信託とも比較をしてみましょう。

 

他のベトナム株投資信託との比較

他ベトナム株投資信託は基本的にアクティブ運用なので、安定運用のバランスファンド3つと比較していきます。

 

◆国際分散投資このファンド1本で世界中に分散投資することができます。地域別の投資比率は市場の規模に応じて変化するので、手間なく市場の変化に対応できます。

◆株式と債券への分散投資株式と債券へ半分ずつ投資することにより、リスクを抑えながら安定したリターンの獲得を目指します。

◆低コストローコスト・ハイクオリティ運用で定評のあるバンガードのインデックスファンドに投資することにより低いコストを実現。長期の資産形成に特化することで運営に係る経費も抑えています。

 

●世界の債券、株式、リート(REIT)、その他の有価証券を投資対象とし、高いインカム収益および値上がり益が期待できるアセットクラスに分散投資します。

 

世界各国の株式・債券・リート等の幅広い資産へ、実質的に投資します。

安定的な資産成長のために、市場環境に応じて機動的な資産配分を行います。

 

以下はその比較表です。

基準価額、純資産は 2022年5月12日 現在
トータルリターン等評価情報は 2022年04月30日 現在

ファンド名 ベトナム・ASEAN・バランスファンド セゾン バンガード・グローバルバランスF トレンド・アロケーション・オープン JPM ベスト・インカム(毎月決算型)
販売手数料 3.3% 0% 2.2% 3.3%
信託報酬等(税込) 1.98% 0.56% 1.18% 1.62%
トータルリターン1年 30.92% 6.92% 2.01% -3.00%
トータルリターン3年(年率) 15.36% 9.16% -2.23% 2.37%
トータルリターン5年(年率) 11.61% 7.70% -1.40% 1.97%
トータルリターン10年(年率) 12.65% 9.35% 1.17% --
シャープレシオ1年 2.89 0.73 0.26 -0.51
シャープレシオ3年 0.99 0.91 -0.25 0.22
シャープレシオ5年 0.83 0.81 -0.18 0.22
シャープレシオ10年 0.90 0.89 0.17 --
標準偏差1年 10.70 9.52 7.83 5.85
標準偏差3年 15.51 10.09 8.90 11.04
標準偏差5年 14.00 9.48 7.88 9.14
標準偏差10年 13.97 10.45 6.86 --

 

トータルリターンをみていきましょう。

トータルリターンの良し悪しを判定するには基本的には3年(年率)を比較したいところです。

上記4銘柄の内、3年の利回りがベトナム・ASEAN・バランスファンドは1位となっています。

これはポジティブですね。

 

しかし上記4銘柄の中で標準偏差がダントツで高くなっています。

バランス型で10%を超えるのはかなり高い水準です。

少し価格のブレ幅が心配なところです。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドは上記バランス型投資信託の中では最もリスクが高いと言えるでしょう。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドの高い手数料

最後にベトナム・ASEAN・バランスファンドの手数料を確認しておきましょう。

ベトナム・ASEAN・バランスファンドの販売手数料は3.3%(税込)となります。

これはかなり高い水準です。

 

さらに、信託報酬は年率で1.98%(税込)となり非常に高い水準で、上記4銘柄で最も高くなっています。

 

中国株投資信託やインド株投資信託などと比しても最も高い水準にあると言えるでしょう。

 

ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどの広いインドシナ地域をカバーしたポートフォリオを構築しています。

そのため調査費用や人件費が相応にかかっていると想定されます。

 

バランス型にしてはリターンが高いので、ある意味では納得のいく手数料かもしれません。

 

ベトナム・ASEAN・バランスファンドのまとめ

ベトナム・ASEAN・バランスファンドは今後の経済成長が期待されるインドシナ地域の株を厳選して、綿密な調査の上、マザーファンドを通じて投資運用し現状ある程度のリターンを実現しています。

 

しかし、手数料が非常に高い点は気になりますね。

また、株式のほとんどを占めるベトナム銘柄は既に「過熱気味」となっています。

 

PBRを分析しても各銘柄が割高水準であるということは、留意した上で投資するかどうかを考えられた方がよいでしょう。

 

今後の経済成長が期待でき、尚且つ割安な株式市場であり、高いリターンを求めることができる投資先を探しているのであれば、私が独自で作成しているおすすめ投資先ランキング記事などを参考にしてみてくださいね。

 

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