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低インフレ・低金利下で安定性を保っている韓国ウォンの為替相場を見通す!

韓国は既に先進国という水準で人口も増大せずまさに停滞期という形になっています。

更に経済も貿易の比率が高く、世界経済に影響されやすいという点で安定しているとはいえない構造になっています。

 

新興国インデックスの中では韓国をかなりの割合で組み込んでいるのは理解に苦しむところです。

今回はそんな韓国の為替の見通しについて見ていきたいと思います。

 

コリアウォン(KRW)とは?通貨制度はどうなっているの?

それではまず、韓国の通貨であるコリアウォン(KRW)と、その通貨制度について見ていきたいと思います。

KRWってどんな通貨?

第二次世界大戦後の世界において旧ウォンを導入して以降、新興国にありがちな急激なインフレによりデノミネーションを行って1953年に100旧ウォンが1ファンに。

更に1962年に10ファンを現在の1ウォンにデノミを行いました。

 

ジンバブエ、ブラジルなどがデノミで有名なのですが、通貨価値が暴落して紙切れのようになってしまうと、通貨の価値がなくなるので今までの1000通貨を1通貨に置き換えるというような処置をデノミといいます。

 

KRWの通貨制度って??

日本円や米ドルのような先進国の通貨は市場に為替レートを完全に任せています。

つまり市場によって完全に価格形成が為されているということです。

 

韓国は1997年に日本や米国と同様の完全変動相場制に移行しました。

しかし、IMFによると以下のように頻繁に介入が行われていることにより管理フロート制を敷いていると見做されています。

 

IMF の 「 Annual Report on Exchange Arrangements and Exchange Restrictions」による事実上の(de facto)為替相場制度の分類によると、

韓国は、最も伸縮性の高い変動相場制である自由変動為替制(2007 年まではIndependently floating、2008 年には Free floating と呼称)」になったが、

2009年 5 月 1 日、当局の介入に関する情報が非公開であることを理由に、「自由フロート制(Free floating)」から「フロート制(Floating)」に分類が変わった。

介入に関する情報は公開されていないため、報道ベースであるが、2010 年については、少なくとも 39 回の介入報道があり、頻繁に介入が行われた模様である。

(引用:財務省)

 

つまり完全に市場にまかせているわけではなく、政府と中銀が為替レートをある程度管理していると、

見做されているということです。

 

当然、韓国も貿易立国なので為替レートは非常に重要になってくるので、

介入するのは当然といえば当然かもしれませんね。

韓国も昔の日本のように輸出によって経済が成り立っている為、自国通貨高になるのは困るわけです。

 

確かに過去は動きが激しいですが

ここ10年の値動きをみていると非常に安定しておりますね。

通貨の安定を非常に重視していることが見て取れます。

USDKRWチャート

 

 

韓国中央銀行の金融政策とインフレ率

現在の世界の中央銀行はインフレターゲット制をしいています。

日米欧のような先進国が目標とするインフレ率を2%に設定しているのに対して、

韓国も同様に直近は2%をインフレ目標としています。

韓国のインフレ率

 

上記の図の通り、依然は範囲を定めたバンド制をしいており、現在よりも高いインフレ率を目標としておりましたが、

徐々に目標値を引き下げているのが分かります。

 

成長力が減速していることにより、インフレ率も下降しており、

政策金利を引き下げて景気を浮揚させようとしていることが見て取れます。

韓国の政策金利

 

現在はインフレ率は目標値を僅かに下回るものの、ほぼほぼ目標値近辺に推移しているます。

金融政策が明確な方向感をもっているわけではありません。

 

二国間の通貨の価値というのはインフレ率の高低にも影響され、

インフレ率が高い国の通貨の方が低い通貨の国に対して、通貨価値が減少します。

そもそもインフレ率が先進国並みの韓国はインフレ率が高いことを原因として、

米ドルや日本円に対して減価する心配はなさそうです。

 

韓国の国際収支から見通しを分析する

国際収支というのは、その国がどれだけ海外から外貨を引っ張ってこれているかという指標です。

かいがいから外貨を獲得していれば、国内で国内通貨に換える需要が発生しますし、

外貨準備高が増加して介入資金が増えて通貨の安全性がまします。

 

以下のように勧告は輸出つまり貿易収支で国の経済を支えているということもあり、

経常収支のプラスが支える形で20年連続の黒字を維持しています。

 

【ソウル聯合ニュース】
韓国銀行(中央銀行)が5日発表した国際収支(速報値)によると、2017年の経常収支は784億6000万ドル(約8兆6000億円)の黒字だった。

1998年から20年連続の黒字となったが、サービス収支の赤字拡大などで黒字額は16年(992億4000万ドル)に比べ縮小した。

(引用:韓国総合ニュース)

 

経常収支という観点でも為替は堅調に推移していくことが予想されます。

 

韓国ウォンの見通し

韓国は貿易立国ということもあり、通貨価値が高くなることは日本が円高を嫌うのと同じで、

韓国も容認するとは思えず実際度々介入が入っていることが確認されています。

高くなることには当局が注視しておりますが、

逆に韓国ウォン(KRW)は低いインフレ率と堅調な国際収支で弱含むことも考えにくいです。

その為、今後今までと同様に現在と同じ水準で安定的に推移していくことが見込まれます。

 

韓国については以下の記事でも分析していますので参考にしてみてくださいね。

  • 韓国の末路は日本と同様に高齢化社会、少子化社会?今後の株式投資の可能性を検討するファンダメンタルズ分析
  • 成長率は低いが韓国の株価指数は現状割安水準!市場全体と代表銘柄サムスン電子を徹底分析。

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