中国投資信託・ETF

【愛称:チャイワン】日興AM運用「中華圏株式ファンド」の基準価額・見通しは?評判の投資信託について最新情報を徹底解説!

資産運用を考えている人の中には「中国」への投資を検討している人が多いのではないでしょうか。

また、中国への投資を考えるのであれば、会社員の方であればまず投資信託を検討すると思います。

 

中国株全体については以下の記事で論じています。

 

その中でも投資信託を購入する場合、つまり企業の運用のプロに任せる場合は、

どのくらいのリターンが実際に見込まれるのでしょうか?

 

今回は中国株投信で評判の商品「中華圏株式ファンド(チャイワン)」

の運用状況と、今後の見通しを解説していきたいと思います。

 

その他の中国投資信託については以下で分析をしているので参考にしてみてくださいね。

 

中華圏株式ファンド- 概要と運用方針 –

中華圏株式ファンドの投資形態はファンド・オブ・ファンズとなります。

三井住友・ニュー・チャイナファンド、UBS中国株式ファンド、HSBCチャイナオープンなどは、マザーファンドを通じて運用していますが、基本的には同様のスキームとなります。

中華圏株式ファンドの運用スキーム

参照:交付目論見書

 

まず一般投資家は中華圏株式ファンドを購入します。

そして、中華圏株式ファンドは日興アセットマネジメントが運用するチャイナランド株式ファンドもしくはマネー・アカウント・マザーファンドに投資します。

その後両ファンドが各種株式や国内公社債に投資することとなります。

実質的に台湾・香港株式、中国A株、国内公社債で運用していることになりますね。

 

一般投資家からは少し遠いところで運用されているのでやや分かりづらいですね。

国別組入比率と組入上位10銘柄は以下の通りです(2022年2月28日現在)。

 

国別組入比率

順位 国名 比率(%)
1 中国 85.6
2 台湾 10.9
3 香港 0.7

 

組入上位10銘柄

順位 銘柄名 国/地域 セクター 比率(%)
1 台湾セミコンダクター 台湾 半導体・半導体製造装置 4.6
2 ペトロチャイナ 香港 エネルギー 3.9
3 ビジュアル・フォトニクス・エピタキシー 台湾 半導体・半導体製造装置 3.0
4 チャイナ・オイルフィールド 香港 エネルギー 2.6
5 ジーシーエル・ポリー・エナジー 香港 半導体・半導体製造装置 2.5
6 チャイナ・モンニュウ・デイリー 香港 食品・飲料・タバコ 2.4
7 チャイナ・ライフ・インシュアランス 香港 保険 2.4
8 マーチャント・バンク 上海 銀行 2.2
9 コスコ・シッピング・エナジー・トランスポーテーション 香港 エネルギー 2.2
10 チャイナ・フェイフー 香港 食品・飲料・タバコ 2.1

参照:月次レポート

 

国別では中国が85.6%とほとんどすべてを占めると言っていいでしょう。

組入銘柄は他のほとんどの投信とは違いアリババやテンセントが上位を占めていません。

経済成長中の国らしく半導体企業が上位を占めているのが特徴でしょうか。

その他はバランス良く組み込まれています。

 

では実際に運用成績はどうなっているのでしょうか。

 

中華圏株式ファンドの運用成績・パフォーマンス

中華圏株式ファンドにはベンチマークはありませんので、基準価額の推移とトータルリターンを見ていきましょう。

基準価額とトータルリターンについては別記事で解説していますので、参考にしてみてくださいね。

  • 【初心者必見】投資信託の基準価額を徹底解説!買い時はいつか?
  • 【初心者必見】投資信託の指標「トータルリターン」とは?

 

中華圏株式ファンドの基準価額推移

参照:月次レポート

 

2018年から2019年の米中貿易戦争による軟調な地合を抜けて上昇に転じているのが読み取れますね。

直近の調整相場による下落も最小限のようです。

 

トータルリターンはどうでしょうか。

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン -12.01% 7.42% 7.47% 8.66%
カテゴリー -15.09% 7.05% 6.96% 10.01%
標準偏差 10.03 18.89 18.97 20.76
カテゴリー 15.84 20.61 19.39 21.78
シャープレシオ -1.20 0.39 0.39 0.42
カテゴリー -0.97 0.34 0.36 0.46
ファンド数 50本 42本 34本 33本

 

直近の下落が小さいのはポジティブですが、10年で8.66%というのはやや物足りないリターンです。

これだけではまだ不十分ですので、他の中国投資信託と比較してみましょう。

 

他の中国株投資信託との比較

今回は以下の3投信及び1つの指標と比較していきます。

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • HSBCチャイナオープン
  • 三井住友ニューチャイナファンド
  • MSCI中国

 

基準価額、純資産は 2022年04月08日 現在
トータルリターン等評価情報は 2022年03月31日 現在

ファンド名 中華圏株式
ファンド

(毎月分配型)
三菱UFJ
チャイナオープン
三井住友
・ニュー・チャイナ
・ファンド
HSBC
チャイナオープン
MSCI中国
(配当込、円ベース)
販売手数料 3.85% 3.3% 3.3% 3.3% --
信託報酬等(税込) 1.76% 1.67% 1.98% 1.98% --
トータルリターン1年 -12.01% -24.13% -22.24% -20.30% -24.28%
トータルリターン3年(年率) 7.42% 2.80% 7.20% 3.15% 1.49%
トータルリターン5年(年率) 7.47% 5.44% 5.71% 4.94% 5.72%
トータルリターン10年(年率) 8.66% 9.84% 9.51% 9.33% 9.31%
シャープレシオ1年 -1.20 -1.46 -1.63 -1.41 --
シャープレシオ3年 0.39 0.13 0.37 0.15 --
シャープレシオ5年 0.39 0.27 0.31 0.25 --
シャープレシオ10年 0.42 0.48 0.47 0.42 --
標準偏差1年 10.03 16.59 13.64 14.41 --
標準偏差3年 18.89 21.77 19.49 21.27 --
標準偏差5年 18.97 20.01 18.58 19.90 --
標準偏差10年 20.76 20.66 20.26 22.39 --

 

直近は他投信より下落に強いことを示していますが、
10年の長期で見ると他投信だけではなくインデックスであるMSCI中国に対してもアンダーパフォームです。

直近のリターンも他投信に比べればマシというレベルで、
リターンが10%を超えていないようでは残念ながら投資妙味はあまりないと言えるでしょう。

 

中華圏株式ファンドの高い手数料

最後に中華圏株式ファンドの手数料を確認しておきましょう。

中華圏株式ファンドの購入手数料は3.85%(税込)となります。

 

他中国株投資信託は3.3%(税込)ですので、中華圏株式ファンドの方が高い水準となっていますね。

さらに一般的なアクティブ型投資信託の手数料よりも高い水準です。

 

信託報酬は年率で1.76%(税込)となり、こちらは他中国株投資信託と同様の水準、

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドやHSBCチャイナオープンよりは低い水準になります。

 

中華圏株式ファンドは3つのマザーファンドを通して投資していることから、
リサーチに調査費・人件費がかかるため、この価格設定は無理もないことと言えるでしょう。

 

しかしそれはあくまで手数料に見合う運用結果を出していればこそですので、今のリターンであれば手数料が高すぎると言わざるを得ません。

 

中華圏株式ファンドのまとめ

中華圏株式ファンドについて詳しく分析してきました。

今後大きな株価上昇が期待される中国に投資している点はポジティブですが、

これまでの運用実績や手数料を考えると投資適格とは言い難いでしょう。

 

もし魅力的な投資先を探しているのであれば、私が独自で作成しているランキング記事でおすすめ投資先を紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

 

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