新興国投資信託・ETF

VWOは買うべきか?積立NISAで人気の海外ETFを構成銘柄や将来性などから徹底分析!

資産運用をしようと思い立つとまずはネットで色々と検索しますよね。

そうするとETFがおすすめと出てくることが多いのではないでしょうか。

また証券会社から勧められることも多いため、よく分からずに投資しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ETFとは、「投資信託」と「株式」の両方の特性を兼ね揃えているものです。

投資信託と言えば「少額の投資資金で分散投資が可能」なのが特徴ですね。

株式投資と言えば「取引時間内であればリアルタイムの時価で売買可能」ですね。

ETFはこの2つが可能なのです。

 

より詳しくETFについて知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

  • ETFは儲かるのか?仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説!

 

今回はそんなETFの中でも人気のVWOについて解説していきます。

 

 

VWOの概要~5,000を超える銘柄に投資?!~

VWOは「バンガード・エマージング・マーケット ETF (Vanguard Emerging Markets ETF)」の略です。

文字通りVanguard社の商品ですね。

 

ベンチマークとするインデックスは「FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index」です。

日本語にするとFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)となります。

このインデックスはFTSEが算出する新興国の大型・中型・小型株から構成される時価総額加重型の指数です。

小型株も組み入れられているため、2021年8月時点で5,204もの銘柄に投資しています。

 

中国A株についておさらいしておきましょう。

中国A株とはQFII(適格国外機関投資家制度)で認可された国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式のことで、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場しています。

引用:投資信託資料館

つまり、基本的に外国人は投資できない中国人向けの株式のことを指します。

 

次はVWOの具体的な構成銘柄を見ていきましょう。

 

VWOの構成銘柄~中国銘柄の強さを再確認~

まず当たり前ですが、VWOはほとんどが新興国株式で占められています。

VWOの構成

 

構成銘柄はどうでしょうか。

上位10銘柄を見てみます。

順位 銘柄名 業種 比率(%)
1 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. 半導体製造 4.78
2 Tencent Holdings Ltd. IT 4.53
3 Alibaba Group Holding Ltd. IT・一般消費財・サービス 4.36
4 Meituan IT生活関連サービス 1.73
5 Reliance Industries Ltd. エネルギー・小売、インフラ、バイオテクノロジー 1.35
6 Vale SA エネルギー 1.09
7 Infosys Ltd. IT 1.00
8 Naspers Ltd. IT 0.99
9 China Construction Bank Corp. 銀行 0.90
10 Ping An Insurance Group Co. of China Ltd. 保険 0.80

参照:Vanguard

 

新興国の中でも半導体やITなど今が旬のセクターが多くなっていますね。

また直近鉄鉱石価格の高騰で好業績のValeが上位に食い込んできています。

少し前までは入っていなかったので銘柄組換は頻繁に行われているようですね。

そしておなじみテンセントとアリババがやはりTOP3に食い込んでいるのはさすがです。

 

国別の上位10国はどうでしょうか。

順位 銘柄名 比率(%)
1 中国 37.2
2 台湾 18.4
3 インド 13.7
4 ブラジル 6.3
5 南アフリカ 4.3
6 サウジアラビア 3.6
7 ロシア 3.0
8 タイ 2.4
9 メキシコ 2.3
10 マレーシア 1.9

参照:Vanguard

 

中国が4割弱と圧倒的な比率を占めます。

これは中国株式が今後急激に成長すると考えている私的にはポジティブですね。

 

上位3か国の中国、台湾、インドで7割弱を占めていますね。

この3か国の株価動向が大きくリターンに影響すると言えるでしょう。

 

よく見るとVWOの国別投資比率は以前解説したFTSEエマージング・インデックスと大きく変わりませんね。

 

VWOのリターン~新興国のこれからの成長に期待~

さて、VWOのリターンはどうでしょうか。

世界全体の株式市場に投資するVT(Total World Stock ETF)と全米株式に投資するVTI(Total Stock Market ETF)の2つのETFと比較してみます。

以下は直近10年間のリターンです。

 

青:VWO(新興国株式)
赤:VT(全世界株式)
黄:VTI(全米株式)

 

VWOとVTとVTIのチャート推移

参照:PORTFOLIO VISUALIZER

 

全世界に投資するVTに2倍以上、全米に投資するVTIに4倍近い差を付けられていることが分かりますね。

しかし、これはあくまで10年間のトータルリターンです。

 

これを2006年から2012年の期間で見るとVWOが他2ETFを上回っているのです。

これは2000年代は新興国株式が大きく成長した時代であることが背景にあります。

VWOとVTとVTIのチャート推移_2006-2012

 

直近1年も概ね他2商品と遜色ないリターンを出しています。

VWOとVTとVTIのチャート推移_2020-2021

 

つまり、市場の状況によってリターンは大きく変わってくるのです。

今後新興国株式市場が成長すると、VWOのリターンはVTやVTIのリターンを上回ることが期待されます。

私は新興国株式は今が飛翔のときで、きっかけがあれば大きく成長すると考えています。

理由は主に以下の通りです。

  • 新興国の人口増と所得増
  • 新興国の経済成長
  • 先進国の金融緩和

 

もう少し詳しく新興国株式市場について知りたいという方は以下の記事をご覧ください。

  • 【2021年最新版】新興国株式の今後の見通しを詳しく解説!経済成長に伴い現在割安な株式も大きな伸びが期待できるか?

 

とはいえVWOのリターンが低空飛行しているのは商品としてはやや不安です。

新興国投資はそれなりにリスクがあるのでそれに見合ったリターンが無ければペイしませんね。

 

VWOの手数料~手数料の安さが最大のメリット?~

手数料も見ておきましょう。

販売手数料は各社が定める米国株式の販売手数料と同様となっています。

SBI、マネックス、楽天で取り扱いがあるので詳しくは各社のHPをご覧ください。

 

SBIでは年率0.10%とさすがETFと言える低水準です。

この信託報酬の低さがETFの最大のメリットと言えるでしょう。

 

しかし、いくら信託報酬が低いと言っても上で見た通りリターンが低いのであまり嬉しくないですね。

では、なぜVWOはこんなにリターンが低くなってしまうのでしょうか。

 

VWOのリターンが低い理由

VWOのリターンが低い理由は様々考えられますが、私が最大の要因と考えているのは各国に分散投資しすぎていることです。

分散投資はリスクは抑えられますがその分リターンも低くなります。

 

上で見た通り中国やインドといったこれからまさに経済成長を遂げる国の比率が高いのはポジティブです。

一方、ブラジルや南アフリカ、ロシアといった既に成長を終えている国の比率もそれなりにあるのです。

その結果、リターンが低く抑えられてしまっています。

 

より高いリターンを得るにはこれから大きく成長するであろう国を厳選して集中投資しなければ高いリターンを得られないのです。

 

まとめ

VWOについて詳しく分析してきました。

新興国に投資しており、これから新興国が経済成長するにつれて大きく株価を伸ばす可能性があります。

また、中国やインドといった今まさに経済成長を遂げている国の比率が高く、手数料が低いのはポジティブです。

しかし、既に成長を終えた国も一定程度組み入れられており、大きなリターンは期待しにくいのも事実です。

 

私がおすすめする商品について知りたい方はランキング記事をご覧くださいね。

また、その他各国分散型の新興国投資信託について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

  • <新興国に満遍なく投資する投信・ETFマップ>途上国の発展を大きく取り込むにはどの商品が魅力的なのか?

-新興国投資信託・ETF

© 2024 エマージング・マーケットグロース Powered by AFFINGER5