おすすめ資産運用・投資先

【2022年版】おすすめ投資ポートフォリオを紹介!米国ETFと新興国投資で攻守を考慮して組成しよう。

働いて獲得する「労働収入」には限界があります。

労働収入の伸びよりも「資産運用の平均的な利回り」の方が大きいということは、トマ・ピケティの21世紀の資本論でも歴史的に証明されていますよね。

 

そのため、資産運用の必要性を理解している人は多いと思います(きっとこの記事を読んでいるあなたも)。

しかし、今まで投資に携わったことはないし結局何に投資をしたらいいのか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。

 

そんな方に向けて、2022年現在筆者目線でおすすめできる投資ポートフォリオを紹介したいと思います。

 

 

おすすめポートフォリオの構成

詳細は後程説明するとして、2021年現在の金融・政治環境を考えると、万人におすすめできるポートフォリオは以下の通りです。

  • 米国ETFのバンガード社VTI:10%
  • 米国債ETFのTLT:30%
  • 新興国株式:30%
  • 現金:30%

 

それではなぜ今このポートフォリオが良いと考えているのか、構成要素毎に説明していきます。

 

バンガード社による米国インデックスETFのVTI:ポートフォリオ比率10%

まずETFの中でも最も有名かつ定番となっているバンガード社によって運用されているVTIです。

 

よく比較に出されるVOOが大型銘柄中心のS&P500指数に連動を目標とするETFであるのに対して、

VTIは米国の株式市場に上場されているほぼ全銘柄約4000銘柄を加重平均で組み入れたETFです。

 

米国の株式市場は19世紀後半から継続して右肩上がりを実現してきております。

以下は長期でデータが取れるS&P500指数の1870年台からの超長期データです。

 

S&Pチャート推移

 

 

これは対数グラフといわれるもので縦軸が指数関数的に上昇しています。

対数グラフで直線的な上昇を続けていれば同じ利回りで成長してきていることを意味します。

 

 

S&P500指数は1910年の10pointから2021年の4,327pointまで、世界大恐慌、Black Monday、IT バブル崩壊、リーマンショックを経験しながらも、平均年率5.6%(配当を加味すると7%超)で成長しています。

 

あの投資の巨人バフェットですらも投資初心者に対しては米国株指数への投資を推奨しています。

危機が発生したとしても長期的に持ち続けることが出来れば、最終的に大きく資産を増やしてくれることでしょう。

 

S&P500に連動するVOOと米国株全体に投資を行うVTIのパフォーマンスの違いとしては、市況が強い時はVOOの方が成績が良くなり、市況が悪くなる時はVTIの方が成績が良くなることが挙げられます。

 

VOOが景気敏感な大型株で構成されているのに対して、VTIが景気感応度が低い小型・超小型株を含んでいるためです。

 

現在の経済環境を整理すると、米国の景気拡大期はリーマンショック以降13年目にのぼり史上2番目の長さとなっています。

景気循環的にいつリセッションが起こってもおかしくないことを考えると、下落相場でも影響をVOOよりも受けにくい小型株を含んでいるVTIの方が適切であると考えるため、VTIを選択しています。

 

ただ、以下のVTI(黄)VOO(青)パフォーマンスをご覧いただければわかるのですが、ほとんど変わらない成績になっています。

VTIとVOOの比較

 

そのため、ここは好みの問題も出てくると思います。

 

比率ですが、リセッションが意識されることから10%に抑えています。

次回リセッション時に待機資産として残してある現金30%を使って買い増しするのが良いでしょう。

 

米国債ETF:ポートフォリオ比率30%

次に米国債が30%です。

おすすめするのは長期米国債の値動きに連動するETFであるTLTです。

  • ETFは儲かるのか?仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説!

 

株と債券は異なった動きをします。

すなわち、株が下がる時は債券価格が上昇し、株が上がる時は債券価格が下落します。

ただ長期的には株も債券も価値が上がっていきますので、組み合わせることで価格変動を抑えながら資産を安定的に増やすことができます。

 

なぜ株式のVTIが10%なのに、債券のTLTが30%なのか疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

これは株の価格の変動幅が債券の変動幅の3倍程度あるためです。

 

では実際にVTIを25%、TLTを75%組み合わせた場合のポートフォリオの値動きを見ていきましょう。

(↑VTI:10%  TLT:30%と同じ1:3の比率です)

赤:VTI100%
黄:TLT100%
青:VTI25%、TLT75%

VTIとTLTの組み合わせ

 

参照:PORTFOLIO VISUALIZER

 

確かに長い目でみるとVTI100%の方が高いリターンを出しています。

 

しかし、TLTと組み合わせた方が、リーマンショックのような危機的な状況でも損失を回避できています。今後の経済状況は誰にも読むことはできません。

また昨今の株式割高局面ではなおさらリスクを取らない方が良いと考えます。

リスクを抑えながらリターンを得るためにはVTIとTLTを組み合わせることをおすすめします。

 

とはいえVTIとTLTを組み合わせたポートフォリオでも年率リターンは8%を超える水準となっています。

加えて価格の値動きの激しさを表す標準偏差は株式単体の半分以下に抑えられているのです。

 

〜米ドル資産を40%保有する意味〜

米株ETFのVTIと合わせて資産の40%を世界最強通貨米USDで保有することになります。

いくつかの記事でも紹介していますが、日本の財政状況や日銀の金融緩和は限界を迎え始めており、

いつ大幅な円安を伴ったインフレが発生してもおかしくない状況になっています。

 

日本が危機的な状況となった時に米ドル建資産を保有していれば、

資産を守ることができるので米ドル建資産を40%としています。

 

私が今後強烈な円安を伴ったインフレが起こると考える理由は以下にまとめていますので、

興味のある方はご覧いただければと思います。

  • 日本銀行の金融政策からハイパーインフレの可能性を解説。破綻へ向かう金融緩和。
  • 【国の借金】日本財政破綻からの「日本円崩壊」に備えた通貨分散の必要性

 

新興国株式:ポートフォリオ比率30%

先程あげた2つは安定収益を目指すいわば守りの投資先です。

大きなリターンを叩きだすには攻めの投資先を組み入れる必要があります。

そんな攻めの投資先としては筆者も実際に投資している新興国株式を推奨します。

 

特に今再び注目され始めているのが中国株式です。

中国は超大国として台頭してきており米国にGDPで追いつくのも時間の問題となっています。

 

中国・日本・米国のGDP推移

 

そして、なによりも注目すべき点は現在の中国の経済水準です。

株価が上昇するにあたっては国民の経済水準が一定のレベルに到達している必要があります。

例えば、日本がバブルを経験して株式市場が急騰したのは1980年代の半ばを超えたあたりからです。

 

当時の日本の1人あたりGDPは10,000ドルから25,000ドルの間です。

そして、今まさに中国が日本の1980年代後半の水準に差し掛かっているのです。

 

中国と日本の1人当たりGDP

 

 

ある程度国民に余裕がでてくると、生活必需品だけでなく株式などの資産に目が向けられるのです。

中国は徐々に国民が豊かになってきている一方、2010年代株価がほとんど横ばいだったこともありまさにエネルギーが溜まっています。

また、中国は今や米国と並ぶハイテク国家にもなってきており、今一番可能性を秘めている国家といっても過言ではないのです。

 

中国株式の魅力と中国株に効果的に投資する方法については以下で詳しくお伝えしていますので参考にして頂ければと思います。

 

コラム:何故新興国全体に投資を行うVWOのようなETFや投資信託への投資を推奨しないのか?

新興国といえばバンガード社のVWOや、日本の新興国全体投資を行っているeMAXIS新興国株式を始めとする投資信託が思い浮かんだ方が多いと思います。

しかし、新興国全体に投資を行う投資信託やETFには 致命的な欠陥があります。

  • 評判のeMAXIS(イーマクシス) Slim 新興国株式インデックスを徹底評価~新興国投資信託の問題点~
  • たわらノーロード新興国株式を徹底評価・分析結果を共有します~評判の新興国投資信託を切る~ 
  • EXE-i新興国株式ファンドを徹底評価~評判の新興国投資信託を分析~
  • SBI新興国株式インデックスファンド(旧:EXE-i つみたて新興国株式ファンド)を徹底評価・分析結果の共有~評判の新興国投資信託を分析~ 

 

これらの商品は新興国の上場銘柄を時価総額加重平均で組み入れた指数への連動を目指しています。

連動目標となるインデックスはFTSEエマージングインデックスか、

MSCIエマージングマーケットインデックスがあります。

  • 新興国インデックスのFTSEエマージングインデックス分析結果をわかりやすく解説!
  • 新興国インデックスのMSCIエマージングマーケットインデックス分析結果をわかりやすく解説!

 

両者は似通っているのでFTSEエマージングインデックスを例に取り上げると、台湾やブラジル、ロシア、南アフリカのような既に成長のピークを終えている、又は何かしらの問題を抱えている国がその他多くを占めています。

 

FTSEエマージングインデックスの構成国

 

 

つまり新興国のダイナミックな成長を取り込むことができないばかりか、ここからさらに失速する可能性すら抱えているのです。

実際この10年間の成績は先進国指数を大幅にアンダーパフォームしております。

 

青:FTSE Developed(先進国指数)
赤:FTSE Emerging(新興国指数)

 

 

FTSE emerging vs developed

 

新興国指数に連動したETFヘ投資すべきでないと言えるでしょう。

  • 新興国ETFの問題点を徹底解説!おすすめできる新興国投資手法を紹介する。

 

 

現金:ポートフォリオ比率30%

何かに投資を行うことのみが資産運用ではありません。

魅力的な投資機会を伺うために待つことも投資の一つなのです。

 

その証拠にウォーレン・バフェットですら現金比率を一定程度用意しています。

彼の会社であるバークシャー・ハサウェイ社は現在15%~20%程度を現金として保有しています。

 

私としては現在の株式市場の状況を考えて、下落時に投資できる余裕資金として30%を保有することをおすすめします。

VTIの項目で説明した通り、今後米国がリセッションに陥り米株が大幅下落した際には、VTIを底値で買い増し将来的に大きな利益を出すための種をまくことを推奨します。

 

 

まとめ

2021年以降最も良いと考えられるポートフォリオを紹介してきました。

  • 米国ETFのバンガード社VTI:10%
  • 米国債:30%
  • 新興国株式:30%
  • 現金:30%

 

この内容が、多くのポートフォリオ構成に悩む方の助けになれば、と思います。

 

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