三菱国際投信によって運用されているeMAXIS新興国株式インデックスについて分析しましたが、
ここではSBI社より販売されているSBI新興国株式インデックスファンド(旧:EXE-i つみたて新興国株式ファンド)について分析していきたいと思います。
ちなみに、新興国全体に投資する投信・ETFはこちらでまとめています。
Contents
SBI新興国株式インデックスファンドが連動を目指すFTSEエマージング・インデックスとは?
SBI新興国株式インデックスファンドが連動を目指すインデックスは、FTSE エマージング・インデックスです。
eMAXISが連動を目指していたMSCI エマージング・マーケット・インデックスとは異なります。
両者の主な相違点は韓国が新興国に分類されているかどうかという点です。
MSCIエマージングマーケットインデックスは韓国を含み、中国・韓国・台湾で60%を超えています。
一方のFTSE エマージング・インデックスは韓国を含んでいない為、構成国の比率は以下のようになっています。
韓国がなくなったとはいえ、依然として東アジアの割合は50%近くと高く、
インドはよいにしても南アフリカやロシア、ブラジルといったファンダメンタルが悪く、
更に高度成長を終えたBRICS諸国で殆どを占められている点は魅力にかけると言わざるをえません。
コラム:VWOが連動を目指す FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスと何が違う?
EXE-i つみたて新興国株式ファンドが連動を目指しているFTSEエマージング・インデックスと、
以前分析したVWOが連動を目指しているFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスは、
似ていますが若干ことなります。
FTSEエマージングインデックスは中国本土に上場されている中国株や小型株を含んでおらず、
指数構成銘柄が1000銘柄と少ないのに対して、
VWOが連動を目指している FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・イン
デックスは、
中国本土に上場されている中国株と中小型株を含み構成銘柄は4000銘柄に達しています。
結局組み入れ国比率は数パーセント違う国もありますが殆ど変わりません。
しかしカバー範囲が広い為、FTSEエマージング・マーケット・インデックスが全新興国市場の85%しかカバーしていないのに対して、
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスは99%をカバーしております。
SBI新興国株式インデックスファンドの運用形態
SBI新興国株式インデックスファンドは自身で銘柄を組み入れているのではなく、
上場されているシュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETFに投資を行うことにより、
FTSEエマージング・インデックスへの連動を目指す形態となっています。
結局FTSEエマージングインデックスへの連動を目指すETFに投資を行っているだけなら全く芸がなく、
VWOにでも投資しておいた方がましですね。その理由を以下手数料の欄で説明させて頂きます。
SBI新興国株式インデックスファンドの手数料
結局ETFに投資をおこなっているだけのファンドなのですが、
SBIが一枚仲介人として噛んでいる分、手数料が高くなっており0.1948%となっております。
ほぼ同じインデックスへの連動を目指しているVWOが0.14%であることを考えると、
あえてEXE i つみたて新興国株式ファンドに投資するよりはVWOに投資した方がましであるということが出来るでしょう。
ただ前回分析したeMAXIS新興国株式インデックスは購入手数料0.3%、信託手数料0.648%(年率)であったことを考えると、
SBI新興国株式インデックスファンドよりはまだ良いということが出来るでしょう。
SBI新興国株式インデックスファンドの成績
同ファンドは2017年12月から設定されたので、長い間のトラックレコードはないのですが、
現在までの半年以上に亘って新興国市場全体が軟調に推移したということもあり、
下落の一途を辿っています。直近はトルコやアルゼンチンの件もセンチメントを悪くしていますね。
しかしSBI新興国株式インデックスファンドだけが軟調なわけではなく、
他の例えばeMAXIS等のファンドも軟調であったため、EXE-i つみてた新興国株式ファンド特有の事象ではありません。
(赤:SBI新興国株式インデックスファンド 青:eMAXIS新興国株式ファンド)
問題は新興国株式指数が時価総額順の組み入れ比率となっていることで、
中国を除くBRICSや韓国・台湾といった魅力の低い国の構成比率が高いことにあると考えています。
SBI新興国株式インデックスファンドのまとめ
SBI新興国株式インデックスファンドはFTSEエマージングインデックスへの連動を目的として、
シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETFに投資をおこなっている新興国投資信託です。
構成比率はMSCIエマージングマーケットインデックスから韓国を除いたものとなっており、
以前として成長が減退している中国やインドを除くBRICSの組み入れ比率が高くなっています。
また手数料は類似のFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスに連動を目指す、
VWOに比べて若干割高になっているがeMAXIS新興国株式インデックスに比べると安く抑えられています。
直近の成績としては連動を目標としているインデックス自体が軟調ということもあり、弱含んでいます。
おすすめの新興国株式投資手法とは?
今回紹介したSBI新興国株式インデックスファンドも前回のeMAXIS新興国株式ファンドやVWOも、
全て時価総額順に構成された新興国株式インデックスへの連動を目指して組成されています。
時価総額というのは企業の規模なので、当然既にある程度発展を終えている、韓国・台湾や、
BRICS諸国の時価総額が新興国市場に占める割合が高くなってしまいます。
しかし、皆さんが新興国株式に投資を行う理由はおそらく大きな利益を獲得したいからだと思います。
大きな利益が獲得できる市場は今まさに成長のまっただ中にあり、更に割安に放置されている市場にこそ眠っております。
ランキングの中に私が投資を行っている新進気鋭の新興国ファンドを含めて紹介しておりますのでご覧頂ければと思います。