インド株式

モディ首相が牽引するインドの経済・財政・政治をファンダメンタルズ分析!人口13億人のポテンシャル市場への株式投資は今が狙い目?

「インド」といえば、今後最も発展する国の一つとして名乗りをあげていますよね。

首相もモディ氏が就任し、さらに経済成長は加速しています。

 

人口は12億人と世界では1位の中国の次に多く、

人口だけではなくGoogleのCEO、マイクロソフトのCEOを務めるのもインド人だったりと富裕層の優秀さも際立っています。

 

インド株式投資を始める際には、必ずマクロに投資対象となる国のファンダメンタル分析、

加えて株式市場、株価推移、為替動向などを分析する必要があります。

今回はそのファンダメンタル分析を実施していきます。

 

インドの政治と財政収支

国の今後の経済成長を知る上で、政府の方針・政策を把握しておくことは重要です。

まずは具体的な政策をみていきましょう。

 

物品・サービス税(GST) インドは週ごとに異なる税率(消費税と似たもの、VAT)を適用していることから外資企業のインド進出の大きな障壁となっていた。政治は物品・サービス税を統一し、参入障壁を取り除こうとする政策。
メークインインディア 製造業のGDP比率を16%→25%に引き上げる、インドの新規雇用創出政策。輸出促進、外資規制緩和、インフラ整備促進なども含まれ、雇用創出に貢献している。2014年9月より開始された政策。
デジタルインディア ITサービスに力を入れ、新規雇用創出1700万人を目指す。投資金額は1.13兆ルピーで日本円で約2兆円規模。全国にブロードバンド設置、大学、専門学校に無線LAN設置、行政手続きのデジタル化を進めている。2014年8月に閣議決定された政策。
ブラックマネー対策 偽札製造、マネーロンダリングを防止を防止するべくモディ政権が取り入れている政策。2016年にすでに高額紙幣の廃止を実行し効果を発揮している。
クリーンインディア インドでは屋外排泄を遠因とした健康被害が蔓延しており、2019年までに100万個のトイレを新設予定。クリーンインディア税も導入し財源を確保。
国民金銭計画 別名称はジャン・ダン・ヨジャナ政策。地方農村住民・貧困層を対象に銀行口座開設(損害保険と貸与機能付き)させることで国民の生活水準向上を目指す。銀行口座を開設させることで納税管理、補助金、年金の申告漏れなどを防ぐ。すでに対象者の90%は口座開設済みであり、順調に進捗している。

 

上記の通り、モディ政権は具体的な政策を掲げ、順調に推進しています。

デジタル化に関しては、さすがマイクロソフトやGoogleのCEOを輩出しているだけありますよね。

 

特に、インド中央政府はこれまで「物品税」「サービス税」「中央サービス税(州を跨ぐサービス)」の3つ、

そして消費税を各州政府が課税権を有していました。

 

この課税の多さ、複雑さこそがインドへの海外企業の進出を妨げていたのですが、GSTで状況を改善しているのは大きな進歩ですね。

以下は前のシン政権とモディ政権の政策の対比です。

 

インドがちょうど経済成長真っ盛りな点もありますが、

モディ政権は結果を出していることがよくわかります。

インドの財政収支を見ていきましょう。

インドの財政赤字

 

 

財政赤字を名目GDP比3.0%に収めることをインドは財政責任・予算管理法で定められていますが、

2018年度の予算は▲3.3%となっており、

現状2020年度に▲3.0%を達成する見込みとなっています。

 

同時にインフラ予算は伸び悩む見込みであり、金利上昇で利払いが増加することで、

さらなる予算圧迫が見込まれており、これはインド財政のリスクの一つとして認識されています。

 

インド経済の現状、GDP成長率の推移を把握しよう

次にインドの経済成長力を1980年代から見ていきましょう。

インドのGDP成長率

 

一時は9%台に乗る成長率を誇り、規模も右肩上がりですね。

 

現在は8%の水準となっており、2016、2017年に上記の政府政策でも述べた高額紙幣廃止の影響で混乱が起こり、

個人消費が下がり成長率は落ちていますがそこからまた盛り返しています。

 

現在インドの一人当たりGDPは1723USD、

中所得国の罠である一人当たりGDP10,000USDまでまだまだ距離がありますのでさらなる経済成長を遂げることは、

ほぼ確約と言える水準です。

 

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。これは、開発経済学でゆるやかに共有されている概念であり、その端緒は世界銀行が07年に発表した報告書にあるとみられている。

(引用:内閣府

 

インドの人口は今後も増加する?人口推移、人口ピラミッドを考察

経済の動向を予測するに当たって、最も重要なのは「人口」です。

 

人口が増えなければ内需は拡大せず、消費活動、労働活動が活発化せず、

経済は落ち込んでしまいます。

 

現在の日本がそうですよね。

以下のように、人口は下降しています。

日本の人口推移

 

さて、本題のインドの人口推移を見ていきましょう。

インドの人口推移

 

昔からインドは人口爆発と言われていますが、

これからも増加を続け、ピーク時は2060年と推測されています。

 

あと40年人口が増え続けると考えると、

末恐ろしいですよね。

 

アメリカを抜いて世界一の経済を誇る国になると言われていることにも説得力があります。

確認作業の意味で、人口ピラミッドも見ていきましょう。

インドの人口ピラミッド

 

人口が増加していく推移に合致するように、綺麗な人口ピラミッドとなっていますね。

若年層が国民の大多数を占めています。

 

人口が多くとも、教育水準が伴っていないと経済成長に寄与することはありえません。

また、言語という壁を越える必要があります。

 

しかし、インドはイギリス領だった過去から英語は公用語であり、

教育水準に関しては、

NASAの科学者の36%はインド人、

アメリカの医師の40%はインド人、と世界での実績は枚挙に遑がありません。

 

今でもITや経済学そして医学の世界でもインド人が活躍している。

アメリカの科学者の12%、医師の38%、NASAの科学者の36%がインド人だという。

ハイテク企業で見てみると、マイクロソフトの従業員の34%、IBMの従業員の28%、インテルの17%、ゼロックスの13%がインド人だ。

(引用:NASAの科学者の36%はインド人。世界を席巻するインド人の頭脳....

 

また、富裕層は教育先進国に子孫を留学させたりと、

非常に教育に関してはシビアであり、今後の自国の経済成長を担っていく人材が生まれていくのではと考えられています。

 

インドのGDPを支えているのは?

インドのGDPを支えているのはどの産業なのでしょう?

さっそく、産業別GDPを見ていきたいと思います。

インドのサービス産業の内訳

 

「不動産」

「金融」

「その他のサービス」

 

の3つがインドの経済成長に寄与しています。ここで読み取れるのは、個人の消費が大きいことですね

ここで、日本の高度経済成長期とインドの現状の消費財保有比率を見てみましょう。

 

日本の耐久消費財保有比率の推移とインドの現状

 

吹き出しで表示されているのがインドのパーセンテージとなりますが、日本と同様の動きをしていますよね。

日本の高度経済成長と同様の経済成長を期待されていることを示しています。

 

インドの輸出入先・他国に依存性はあるのか?

貿易相手を見る理由としては、どこか一国に依存しているとその国の経済の影響をもろに受けるからです。

バランスよく取引をしていれば良いのですが、インドはどうでしょうか。

インドの輸出入

 

石油商品や宝飾品などが輸出の大半を占め、

相手国も米国とアラブ首長国連邦、香港に次いで中国がきますね。

 

極めてバランスが良い状態です。

輸入こそ中国が17%程度を占めますが、35%程度を占めるミャンマーなどに比べると非常にバランス感があります。

 

他国依存が少なく、上記まで解説してきた人口や産業構造などを考えると、

やはりインドの経済成長は待った無し状態です。

 

この記事のまとめ

ここまでインド株式投資を考える上でのファンダメンタル分析をしてきました。

この記事のまとめとしては、

  • インドは人口12億人と世界では1位の中国の次に多く、GoogleのCEO、マイクロソフトのCEOを務めるのもインド人だったりと富裕層の優秀さも際立っている。
  • モディ政権は具体的な政策を掲げ、順調に推進している。
  • インド中央政府はこれまで「物品税」「サービス税」「中央サービス税」など課税が障壁となり海外企業の進出を妨げていたが、GSTで状況を順調に改善している。
  • インド財政の2018年度の予算は▲3.3%となっており、現状2020年度に3.0%を達成する見込みとなっている。
  • インド経済成長率は一時は9%台に乗る成長率を誇り、現在は8%の水準となっている。
  • 中所得国の罠である一人当たりGDP10,000USDまでまだまだ距離があり、さらなる経済成長を遂げることは、ほぼ確約と言える水準。
  • インドはこれからも人口増加を続け、ピーク時は2060年と推測されている。
  • 日本の高度経済成長期とインドの現状の消費財保有比率は似ており、日本と同様に成長していく見込み。
  • インドの貿易は石油商品や宝飾品などが輸出の大半を占め、相手国も米国とアラブ首長国連邦、香港に次いで中国がくる。
  • 輸入こそ中国が17%程度を占めるも、35%程度を占めるミャンマーなどに比べると非常にバランス感がある。

 

と言ったところです。

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