私が最近特に注目している中国。
というのも中国は経済が成長し続けているにもかかわらず株式は割安のまま放置されているのです。
具体的にはこの10年間GDPが3倍に拡大しているにも関わらず株式市場は20%程度しか上昇していないのです。
以下は中国の代表的な指数である上海総合指数と日経平均の比較ですが、中国の株式がいかに割安かがお分かりいただけるのではないでしょうか。
黄:上海総合指数
青:日経平均
基本的に株価は経済成長率と相関するため、何かきっかけがあれば中国株式市場は急騰することでしょう。
今回はそんな中国経済について様々な指標から分析していきます。
この記事を読んで中国株式への理解を深め、株価が大きく上昇するタイミングでのリターンを逃すことがないようにしましょう!
Contents
現在の中国経済の実態を確認
将来の見通しを分析する前にまずは足元の中国経済について見ていきましょう。
GDPは日本を大きく引き離し世界2位で推移
その国の経済力の目安とされるGDPをご覧ください。
GDPとは国内総生産のことで、一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値のことを指します。
IMFによると、2020年時点で中国のGDPは14兆7228億ドル(約1640兆円)となっております。
一方で我が国日本は5兆487億ドル(約562兆円)となっています。
実は2009年までは日本の方が上位だったのですが2010年に抜かされてしまい、それから10年で約2.9倍も差を付けられてしまっているのです。
日本国民としては悲しい限りですが、高い成長率を誇る中国と経済が停滞している日本ではもうひっくり返せないほどの差がありますね。
ちなみに世界トップに君臨し続けている米国のGDPは20兆9328億ドル(約2331兆円)です。
しかし米国はコロナ禍で経済が停滞してしまいました。
反対に中国はコロナ禍でも成長し続けています。
このまま中国が伸び続ければアメリカが追い抜かれるのも時間の問題です。
先進国を上回る高い経済成長率
次に経済成長率を見ていきます。
中国経済はすさまじい成長率を誇っています。
以下は前年比の経済成長率のグラフです。
コロナ禍に苦しんだ2020年は2%程度の成長率にとどまりましたが、2019年までは毎年6%以上の成長率を維持しています。
むしろ世界各国が軒並みマイナス成長に陥る中プラスの成長率をたたき出すのはさすがと言うべきでしょう。
IMFの予測では2021年は8.4%の成長となる見込みで引き続き高い経済成長率が維持されそうです。
ちなみに世界の成長率から見ると6%台でも相当に高い水準なのです。
以下は世界の実質GDP成長率ですが、2020年の大幅な落ち込みからの回復ですらようやく6%です。
つまり、毎年6%以上成長し続けることが異常かが分かります。
では中国は今後も高い経済成長率を維持し、やがてアメリカを抜いて世界一の経済大国になる日が来るのでしょうか。
次章以降で徹底的に分析していきます。
中国共産党の経済政策を分析
今後の中国経済を語る上では共産党の政策を理解することが必要です。
なぜならば中国は共産党の一党独裁制であり、共産党の意思で動いているからです。
では共産党はどのような経済目標を掲げているのでしょうか。
またその目標に対してどのような戦略を立てており、実現可能性はどれほどあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
2021年から始動した第14次五カ年計画について
中国は2020年の「五中全会」において、2021~2025年の中期政策大綱である第14次五カ年計画と2035年までの長期目標の草案を採択しました。
過去の五カ年計画と異なり、今回はGDP成長率の具体的数値が初めて設定されませんでした。
これは決してGDP成長率を上げることが不要だということではありません。
次章以降で詳しく解説しますが、そもそも中国共産党は2035年までに1人あたり平均GDPが中等先進国のレベルに到達することを目標にしています。
これは、今後も中国のGDP成長率を維持するつもりであること、そしてその実現に自身を持っていることを暗に意味しています。
中国は自信が無いから具体的な成長率目標を設定しないのではありません。
むしろ目標を設定しないことで、各種のリスクに対してゆとりをもって対応しようとしているのです。
2035年までの長期目標で1人あたり平均GDPが中等先進国のレベルに到達することを目指す
上でも少し書きましたが、2020年の五中全会の大きな特徴の一つは2035年までの長期目標が掲げられたことです。
長期目標が示されたのは、1995年に2010年に向けた長期目標を掲げて以来です。
長期目標の中で、経済面では「一人当たりGDPの中等先進国レベルへの引き上げ」を目標としています。
「中等先進国」というのがどの水準を指すのかは不明ですが、習近平は「2035年までにGDPと一人当たり所得を(2020年対比で)倍増させることは可能」ともコメントしています。
それを踏まえると2019年時点での一人当たり名目GDP10,243ドルを2035年までに約20,000ドル以上とすることを目標としているのではないかと推測されます。
以下は1人当たり名目GDPの推移です。
2010年の4,500ドルから2020年には10,484ドルと、10年で2.3倍に成長していることを考えると決して不可能な目標ではないですね。
第14次五カ年計画と長期目標を実現するための政策方針
それでは中国は上記の経済成長を具体的にどのような方針で実現しようとしているのでしょうか。
中国は現在労働力や資本投入による成長が限界を迎えています。
そのため、今後のさらなる経済成長のためには生産性向上が必須であると考えており、科学技術の更なる発展を目指しています。
それは重要政策方針として、科学技術のイノベーション推進が第一に掲げられたことからも明らかです。
これまでも中国はたびたび「コアとなる技術を自前で育成するためのイノベーション推進」を強調しており、その方針が五カ年計画にも反映されたと考えられます。
この背景には、対ファーウェイ禁輸措置に代表される米国とのハイテク技術をめぐる対立があるとみられています。
危機感を抱いた中国はこれまで外国企業に依存してきた人工知能や量子情報、半導体等の高付加価値製品の国産化を国家重大プロジェクトの対象とする方針なのです。
中国共産党の政策は本当に現実のものとなり経済は成長するのか
中国共産党は上記の経済政策を掲げているわけですが、これらは果たして実現可能なのでしょうか。
英国のシンクタンク「経済ビジネスリサーチセンター」が2020年12月に、中国経済に関する報告書を出しています。
この報告書内で「中国が2028年までに、アメリカを抜いて世界最大の経済大国になる」としています。
私個人としても中国共産党の経済政策は十分に実現可能と考えています。
その理由は①1人当たりGDPの成長余地②生産年齢人口の増加見込です。
詳しく見ていきましょう。
1人当たりGDPはまだまだ成長余地がある
中国の一人当たり GDP は、過去数十年に亘り過去の東アジア諸国と概ね同ペースで成長してきています。
地理的条件や国民性に類似性があることを考えると、中国は今後他アジア諸国のように1人当たりGDPの大きな伸びを見せることでしょう。
また一般に後進国は先進国より経済成長率が高い傾向にあるため、まだまだ後進国である中国は今後先進国へのキャッチアップにより成長する余地は大きいと言えます。
中国経済が先進国へのキャッチアップ過程を辿った場合の成長率試算が以下です。
図をパッと見ると成長率が鈍化しているのでは?と思われるかもしれませんが、これはあくまで前年比の成長率です。
先進諸国がここ20年以上成長率2%程度で停滞していると考えると2035年でも4%程度の成長率を維持しているのは驚異的です。
この試算通りに推移した場合、中国の経済規模は 2020 年から 2035 年にかけて 2.02 倍になります。
つまり上で書いた習近平の「2035年までにGDPと一人当たり所得を(2020年対比で)倍増させることは可能」というコメントは十分に達成可能なのです。
中国の生産年齢人口は今後も増加し続ける
1人当たりGDPが増えても人口が停滞しては国全体としての成長は止まってしまいます。
なぜなら国全体の経済が発展するには生産量と消費量を共に増やす必要がある、すなわち人口が増える必要があります。
現在の中国の人口ピラミッドは一人っ子政策のせいで以下の通り綺麗なピラミッド型ではなくなっています。
ただ、2030までは人口が増加することが見込まれています。
さらに、2016年に一人っ子政策は廃止されましたし、ちょうど最近中国政府は子供を3人まで認める方針を打ち出しました。
加えて、子育てを奨励するために教育コストの引き下げや出産を支援する政策を打ち出す方針も打ち出しています。
これからの中国政府の対応が楽しみですね。
まとめ
今回は私が最も注目している中国経済について現在の状況と将来の見通しを徹底分析してきました。
分析した結果、やはり中国経済の未来は明るいと思います。
どこかのタイミングで経済成長に株式市場が追い付いて、株価が急騰することでしょう。
その時を逃さないために、私も中国株式への投資を続けようと思います。
おすすめの投資先についても記事を書いているのでぜひご覧くださいね。